2022年5月15日
「遠い宗教者と 共感のサマリア人」 棚谷直巳牧師 (要旨)
ルカによる福音書10章25~37節
今年5月15日は米軍基地が残されたまま沖縄が復帰して50年の節目です。ところでイエスの語る隣人愛は、実は戦争の記憶を含んだ重みのある教えでした。よきサマリア人の譬えの背景には紀元前720年にあった帝国による国の滅亡と、その強制移住策がありました。このサマリア人にとって追剥に遭った人を救うことは、宗教者たちとは明らかに異なる、自分の生き様に忠実な行為であったのかも知れません。イエスは、自分で抱えきれないような重い歴史の課題があっても、人間それぞれで小さな業を持ち寄り支え合えることを、示してくださいました。そうした信仰を誇りとして生きていたいと願います。