2025年3月9日 (南山城伝道協議会講壇支援)
「石のようなパン、パンのような石」 岸本兵一牧師(要旨)
マタイによる福音書4章1~4節
40日間に及ぶ断食の後、イエスを待っていたのは『悪魔くん』であった。悪魔くんがイエスの肩に手をまわし首を抱いて馴れ馴れしくささやく。「腹へったやろ」。イエスの受難を覚える受難節を迎えた。ありったけの肉の残りを食べ尽くし、裸踊りに沸いたカーニバル(謝肉祭)は終わった。低カロリーの食事の日が始まった。「腹へったやろ」。悪魔くんの別名は、『誘惑さん』。石をパンに変えればこの世の栄耀栄華はお前のものだと言う。ヘタをすれば、パンのような石に齧りついて歯を砕いてしまうかもしれない。イエスは知っていた。受難を生きることは人間の尊厳であると。それを人間イエスは捨てなかった。そして栄華の『誘惑』は去っていったのである。