2024年11月10日
「問いかける福音」 棚谷直巳牧師 (要旨)
マルコによる福音書7章9~13節
母の姉は長年、都立松沢病院に入院していました。1970年代頃の精神医療には「家族責任論」というのがあって病気の発症も退院できない理由も、その多くは家族に責任があるとされ、母は面会の度に病院スタッフに責められたと云います。地域の支えが無かった時代です。今想えば母は自分の出来る限りをしていたのです。孫が在日4世の青年と結婚する時に母は一番の理解者であったと葬儀の席で聞きました。律法「父母を敬いなさい」は、ただ絶対の道徳律ではないと思います。人ひとりの人生と共にあって、人に問いかけ、生きて働く言葉なのでした。母と私との間でもずっと生き続けたのです。