2024年7月7日 (部落解放祈りの日)
「『正しさ』ではない、出会いの生き様」 棚谷直巳牧師
使徒言行録9章10~19節
旧優性保護法の議案を出したのは太田典礼という人物でした。彼は「役に立たない人間はいらない」「不良な子孫を残してはならない」と言ってはばからないのですが、『思想の科学』にその論文が掲載されてます。戦後の人権・民主主義の良心とも言える月刊誌に、太田の差別文章が載ったことは驚きです。当時の日本知識人は障害者/ハンセン氏病患者など被差別当事者と対話することが不十分だったと考えます。障害当事者により強制不妊手術はようやく告発されました。パウロも迫害者でしたが、イエスに導かれた被迫害者が介抱をし、命を吹き返します。正しさ/知識ではなく世の隅に追いやられている人との出会いが、解放に通じる路を示してくれたのでした。